イクメンはケアメン

ひとりごと

先日、NHKの朝ドラに続いてこんなのがやってました。
NHK『あさイチ』より〜イクメンはつらいよ〜
題して『聞いてください!イクメンもつらいのよ』。
この特集では育児に関わる男性、通称「イクメン」の直面する問題にスポットを当ててました。

保育園に息子を送る為に支度をしている最中の私にとってはまさに「ドンピシャ」な特集。

色々と取材やコメントがあったのですが、中でも印象的だったのがある専門家コメンテーターの言葉

「イクメンはケアメンにもなり得るんです」

というもの。

育児と介護は体重が10倍変わるけれど、やる事はとても似ている、との意味だそうです。

オムツ交換、トイレの世話、食事介助、洗濯に着替え。

考えてみれば似ています。

高齢者は言葉を知っている事や『親の介護に伴う感情の動き』など、違いは確かにありますが、結果として発生する作業は確かにとても似通っています。特に汚物の処理などは手袋やマスクして飛沫感染を防いだり他の服とは洗濯を別にしたりと慣れがあるか無いかで違いが出てくるでしょう。
話は変わりますが、イクメンだとか家事に関わる男性のことを指して「今の日本は男が弱くなった」と言われる方がいます。「男は背中を見せる事で子供に対して云々」という言葉はご法事のお斎の席でしばしば聞かれる言葉ではあります。

しかし、親の介護などを一生懸命にする男性に対して「今の男は」と言う人はほとんどいません。「親孝行だね」とか「大したもんだよ」と評価される事はあっても上記のように揶揄されるようなことは無いでしょう。
あれ?でもおかしくないですか?
親の介護も育児も、『家族の世話をする』という点では全く同じです。「命の重さは平等」と小学校の道徳で習いそうな言葉を考えると介護も育児も同じように見る必要がありませんかねぇ。
では何故、介護なら「親孝行で素晴らしい」で、イクメンなら「今の男は」になるのでしょう。

色々な解釈があるし、あくまで個人的な考え方ですが、これには儒教的な影響があるのではないかと思います。

江戸時代に盛んに学ばれた儒教では特に『忠勤孝行』、つまり公につかえ、イエを大切にして親孝行をする事が良しとされます。
しかし、イエという概念が崩壊し、少子化が進む現代ではこのような忠勤孝行の概念はあまり馴染みがありません。それどころか否定的に見る向きがあるでしょう。
私は自分がそうだからと言って、イクメンを肯定するわけではありません。そもそもこの「イクメン」という響き自体があまり好きではないし、育児に向き合うのはイクメンではなく「父親」と呼ぶからです。さらに言えば両親を大切にすることを否定しているわけでもありません。

男性が育児をするというのは、いずれやってくる両親の介護、場合によっては配偶者の介護が発生した時にも必ず活かされてくると思うのです。

少子化と共に高齢化がどんどん進むのは否めません。もし両親の介護が必要になった時に
「あ、俺できないわ」と奥さんに丸投げするのか、「あ、汚れたらハイターで漂白して拭いとくわ」と言ってテキパキ動けるか。
高度経済成長時代に「男は外で働き、女は家をまもる」がスタンダードでした。しかし、核家族化と少子高齢化が進む現代ではそうもいきません。
あ、このブログを書いてる向こうで「こぼれた〜」と息子がつぶやいています。早速中断です(笑)。さてさて、何をこぼしたのやら…f^_^;

続きは、また。

副住職 拝


コメント

  1. 倉井 光弥 より:

    育児に向き合うのは父親。
    ぐっときました。

    • jyosyoji より:

      >倉井さん
      この言葉、実は森○中のO島さんのダンナさんが言われてた言葉を拝借したのですww
      いい言葉ですよね~